”事業の本質”について思うこと

近頃、ぼくの身の回りでは「本質」という言葉がよく飛び交っている。恥ずかしながら、今まで考えたり、触れてきたりしてこなかった言葉だ。

 

はじめてこの言葉を耳にしたとき、率直に思ったのが「本質」なんて絶対的なものはないに決まっているだった。

考えてみてほしい、これだけいろんなものの見方がある世界で絶対的な真理を見つけ出すことはまず簡単なことではないし、そんな真理を知っているかのようにふるまうこともおこがましいと思える。

 

しかし、この「本質」について自分の考え方が変わってきている。コンサル的な立場でいえば、「本質とは何か」を考えることで最適解にたどり着くことができるのでということだ。言い換えれば、クライアントの考える本質とコンサルタントが考える成功要因をすり合わせていくために必要な言葉こそが「本質」なのだ。

 

これはここ半年ぐらい、色々な企業の社長に会う機会があり、経験談や事業の考え方を聞く中で気づいたことである。往々にして彼らは同業者であっても本質の考え方は異なっていた。にもかかわらず、話を聞いていて思うのはどの人も成功までのビジョンを描けていたということ。

ポジショントークが得意な自分にとって、批判や誤解を恐れずに自分の意志を強く語るビジネスマンに出会えたということは非常に興味深い経験だったと思う。彼らは自分の選択や考え方がすべての人に受け入れられるものではないとわかっていたし、それを恐れるそぶりはなかった。

 

数ある選択肢の中から何を選んで実行していくか。これは事業者の意志が決まっていればほとんど決まっている。コンサルタントはこれを現実的な施策にするためにはどうすればよいのかに全力投球する必要がある。

つまり、クライアントの会社が何を理念にしているか、そしてそれを活かしたまま成功するには何が必要か。これをコンサルタントは意識し続けなければいけないということだろう。

結果として成功するかどうかは別の話だとして、血の通った経営判断ができるコンサルタントはクライアントの考える本質に理解と尊重をできる人間なのだと思うし、言語化しなくてもクライアントと日々接していく上で「何に価値を感じているのか」を感じ取れる人になりたい。